中国で徐々に注目を集めつつあるクラフトビール。
日本のクラフトビールメーカーにもチャンスはあるのでしょうか？今後の市場の成長に目が離せません。
クラフトビールといえば、小規模な醸造所で作られ地域ごとの特性を生かした、味わい深いビールです。値は張りますが、香りや味に特徴があり、特別な機会にクラフトビールを楽しむ人も多いことでしょう。
2019年の中国国内でのビール飲料におけるクラフトビール消費量の占める割合は2.5％、市場規模は5％となっています。ビール先進国のアメリカのクラフトビール消費量13.6％、市場規模25％と比較するとまだまだ伸びしろありと言えるでしょう。
ちなみに日本は消費量は1％しかありません。この数字からもわかるように全体の割合としては中国のクラフトビール市場の方が規模は大きいということです。
また、最新の予測では将来的に中国のクラフトビールの市場規模はビール消費量の10-15％に達すると考えられています。
中国におけるクラフトビールのトレンドはどのようなものでしょうか？
過去に行われた消費者団体による聞き取り調査では二つのポイントがあげられました。
〇中国経済が発展し家計に余裕が生まれ飲食にこだわりを持つことが出来るようになっています。
そのため、食に対するこだわりを持つ余裕が出てきました。味や品質、安全性など食自体を娯楽の一つとしてとらえているのです。それに伴いアルコール飲料に対する要求も変化しています。今後、品質の高いものを求める可能性が高くなると考えられます。
〇クラフトビール市場の開拓
クラフトビールの味わい深さを知らなければそこにお金を出す気にはなれません。市場教育の目的は、消費者に認知してもらうことですが、酒類の場合、味の満足度に勝る認知はありません。消費者に自分で試してもらい、一口飲んだときの味を知ってもらったほうがいいのです。そのようにしてまずは市場拡大のために、認知を広める必要があります。
中国でのクラフトビールへの関心は作られたものでしょうか？
フォーサイト研究所のデータによると、2019年の中国国内クラフトビールの消費量は2.4％に過ぎず、今後、消費の増加の恩恵を受けて、2025年には国内クラフトビールの市場規模は約875億元(約1兆5千億円)に達し、普及率は11％になると予想されています。
クラフトビールを作るためにはラガービールに比べて時間と資金が必要になります。結果としてそれは、商品価格に反映されます。その結果、価格に敏感な人々は手を出すことを難しく感じることでしょう。そこまでのお金を出す価値がないと感じてしまうのです。
そのためか、大手ビールメーカーや投資家は、クラフトビールの流行に疑問を感じているようです。
人気はあっても、利益を考えると中身が伴わないように感じるのかもしれません。
確かに、クラフトビールの市場は成長期にありますが今の所普及率が低く、ラガービールの売り上げに比べて少ないため投資家たちも二の足を踏んでいるのでしょう。
クラフトビールは、普通のビールよりも美味しく、何百種類もの味があります。
中国では、何をもってクラフトビールとするかの基準はまだ決まっていませんが、大麦以外の穀物作物を使用していないことは、判断基準の中心の一つとなっています。 混迷を極めるクラフトビール市場では、味は最も直感的な体験です。 価格だけで区別することはできません。
クラフトビールの世界で地位を占めるためには、クラフトビールの味を深め、その味に消費者がお金を払うようにする必要があります。
日本のクラフトビール業界は成熟しており、味も品質も高く非常に優れています。今後クラフトビールの需要が成長した際には、商機が訪れるでしょう
クラフトビールは、ビールを消費者向けにグレードアップしたもので、ビール自体が高コストで純利益スペースが少ないという特徴を持っています。クラフトビールのコストは約10元で、ビールの約3倍になります。コスト管理をしないと、クラフトビールの末端価格は下がらず、大規模な普及を行うことは困難です。
総合的に見て、コストパフォーマンスの高いクラフトビールを製造することで、ニッチなイメージを払拭し、より大きな市場を生み出すことができます。 消費者のシーンと消費習慣が構築されれば、クラフトビールはその輪から外れていくでしょう。
中国では、クラフトビール市場が注目を集め始めています。しかし、まだまだ認知度も低く価格面でも納得されていないという現状があるようです。
今後認知度が上がりビール業界の一つのジャンルとして確立されるならば、大きなチャンスとなることでしょう。現状日本から中国へのビールの輸出額は2.1億円(2017年)程度です。今後の成長の期待できる分野だけに、今後どのように推移していくのか見守りたいと思います。
※この記事は許可を得て翻訳編集のうえ転載しております。転載元は自消费界（ID：xiaofeijie315）です。
お問い合わせはこちら