じわじわと熱気を帯び始める中国のフレグランス市場
今後の成長に期待

中国の化粧品市場全体のフレグランスが占める割合は2%(約1,587億円)に過ぎません。ですが、需要はのび続けており2025年には約5,778億8千万円に拡大する予測もあります。そんな中国で、日本製の香水の需要は見込めるのでしょうか?今回の記事では、中国の香水事情について解説します。

目次

・中国のフレグランス事情

・中国で人気のフレグランスランキング

・香水を使う人の年齢層は?

・日本の香水の強み

・まとめ

中国のフレグランス事情

中国で販売されている香水の41.8%は輸入品です。その内訳は、フランス27%、イタリア8%、アメリカ4%と欧米からの輸入が大多数を占めています。

香水の使用推定人口は1,329万人(2021年)と全人口(約14億人)の1%に満たない程度です。しかし、香水使用者は確実に増えています。2017年時点では約477万人しか香水使用者はいませんでした。その後4年で2.7倍も香水使用者が増えたことになります。

中国で香水を使用する層は、比較的高所得者層が多いようです。客単価は500~800元(約8,000~13,000円)と高額なブランド香水を購入する傾向があるからです。ちなみに、アメリカの客単価は150-250元(約2,900円~4,800円)ヨーロッパでは250元(約4,800円)と日常的に香水を使う欧米圏で客単価は低くなっています。

中国で特に人気の香りは、フローラル、柑橘系、ウッド系、フルーティー系と日本人の好みとさほど変わりはないようです。
香水を使用するシーン別に見てみると、通勤通学(86.5%)の際や友人たちとの集まり(81.9%)、週末のお出かけの際(75.2%)と日常的に使うことが多いことがわかります。

日本の2019年のフレグランス市場432億円でした。一方、中国のフレグランス市場は99.2億元(約1,587億円)と日本の約3.6倍の市場規模があります。香水の使用人口が少ないとはいえ、これだけの規模があることは魅力的な市場と言えるでしょう。 

中国で人気のフレグランスランキング

中国のネットショップの香水売り上げランキングを見てみましょう。以下の表は2020/6~2021/5のタオバオ、天猫の香水売り上げをもとに作成されたトップ10になります。

Chanel、Dior、Bvlgari、YSL(イヴ・サンローラン)、Tom ford、Hermès、Boitown、Gucci、Versace、diptyque

この中で、中国ブランドは一社のみランクインしています。7位の「BOITOWN(冰希黎)」というメーカーです。リーズナブルな価格帯で販売しており、約140元~260元(約3,000~5,000円)ほどの香水を取り揃えています。
他にも中国ブランドの香水は「ASSASSINA(莎辛那)」や「MINGLAN(名藍)」など中国製の香水も生産販売されています。 

マイクロバケーション中国

香水を使う人の年齢層は?

中国では1%弱の香水使用人口ですが、どの年代が特に用いているのでしょうか?
2021年タオバオ、天猫の香水購入者の年齢分布を見てみましょう。
18-24歳35.33%、25-29歳19.50%、30-34歳17.48%、35-39歳9.46%、40-49歳9.74%、50歳以上4.22%
この表からわかるように、35歳未満だけで7割以上を占めています。これは、化粧品を購入する世代ともほぼ重なっています。このことから、身だしなみにこだわる人が、その延長として香りにも注意を払っていると考えられます。 

日本の香水の強み

香りは日本の文化に合わせて控えめなものが多いと言われています。香水文化が欧米ほど根付いていない日本では、さりげない香りが好まれるようです。上述したように中国でも香水の文化は根付いていない現状を踏まえると、日本製香水のさりげない香りは、中国人の心をくすぐるものになるかもしれません。

また、日本の気候に合わせて各メーカーが努力を重ねています。高温多湿の環境で、程よく香りが出るように研究されています。一方、欧米圏は乾燥している地域が多くその気候に合わせて作られています。ですから、高温多湿の中では本来の性能が発揮できないこともあると言われています。

例えば、上海は温暖湿潤気候で日本に近い気候です。日本の気候に合わせて作られた香水が、強みとして宣伝できるのです。

日本のメーカーは、和テイストを前面に出しているメーカーも多いです。このことから、中国でオリジナリティーを求める人に受けがいいと予想されます。 

まとめ

今回の記事では、中国の香水事情に関してお届けしました。
いま中国では、香水市場が拡大しています。2019年の市場規模は99.2億元(約1,587億円)ですが、2025年には300億元(約5,778億8千万円)にまで拡大すると予想されています。

香水の47%は輸入に頼っており、フランス、イタリア、アメリカからの輸入が特に多くなっています。一方で、国内での香水の生産も行われており価格もリーズナブルなものとなっており、購入できる層が広がっているといわれています。特に35歳未満の世代で香水を使用する人が増えています。

中国では香水を使う人口は少なく全人口の1%弱といわれています。そのため、日本のメーカーの造るさりげない香りの香水が受けると考えられます。また日本同様、高温多湿の地域があること、同じ東洋人であることなど好みの部分でも近いことが考えられます。

これらの事から、上手にプロモーションを行うことで日本のメーカーが造る香水も受け入れられる可能性が高いと言えます。拡大する中国の香水市場に今後の期待が膨らみます。 

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