日本貿易振興機構 大連事務所 海外調査部や
経済産業省 商務情報政策局 情報経済課の最新市場調査報告書
に基づく最新情報を、パルが見やすくリデザインして公開
新型コロナウイルスにより、日本人と同様中国人の消費スタイルも変化しました。実店舗での消費からECを利用した購買方法に代わっていき、2020年には中国ECの小売額は230兆円を超えました。
日本EC市場は14兆円のため、16.4倍の市場規模です。世界最大の中国EC市場は、2021年に前年比21%の成長が予想されています。
日本国内でもECの伸びが期待されていますが、2%の成長率と微増です。中国の伸び率はその10倍であり、成長市場です。
COVID-19の影響もあってか、たった1年で中国人ネット利用者が8000万人増えて9.8億人のネット人口となりました。
そのうち約80%の人口が中国ECを利用しています。右図から分かるように、中国EC利用者は日本総人口の7倍ほど、EUの総人口さえ上回る規模です。
コロナ禍でネット利用者もEC利用の文化も浸透し、ますます越境ECの分野に追い風が吹いています。
2019のデータによると、中国の越境ECユーザーは1級・2級都市(中国では人口、生活レベル、商業資源などの指標で都市が評価されます)に住んでいます。月収8.5万円以上の経済力がある、中間所得層の若いユーザーが海外品の購買に関心があります。
電子機器と共に育ったデジタルネイティブの世代かつ、都市部の経済力がある若年層が越境ECのメインユーザー。その世代にマッチする商品選びやマーケティングが重要です。
前述の1級都市は右図の4都市です。中国人越境ECユーザーは、経済発展を遂げている沿岸部に8割ほど分布しています。広東。北京、上海、浙江など1級都市のユーザーほど消費力があります。
越境ECはオンラインなので中国全土に販売できるとはいえ、ほとんどのユーザーが沿岸部の比較的豊かな環境に存在します。なお、中国人の9割ほどはこの沿岸部に分布します。
中間所得層の越境ECユーザーは、商品を選ぶにあたり品質や安全性を重視する傾向にあります。中国人は広告を信頼せず、口コミを信用する文化です。
若年層は特に、KOLインフルエンサーのレビューを参考に購買に至ります。偽商品も多いため、正規品であることも重要視されています。
中国人は口コミで動く。そのためまずは口コミ拡散を行い、認知度を上げます。必要な施策の後、正規品(商標必須)としてECモールで出店・販売していくのがベターです。
右図は経済産業省が令和2年7月に発表したEC市場調査の報告書からの引用です。中国の消費者が越境ECで購入している商品は、化粧品・美容関連商品が最も人気です。
その他サプリメントなどの健康食品や生活家電、日用品、ファッションなど日常生活に関連するジャンルは人気です。すでに日本EC物販を行っているのであれば、中国ニーズと重なるジャンルを取り扱っていることでしょう。
化粧品、美容品、トイレタリー、健康食品と外見に関係するジャンルに人気あり。コロナ禍の2020年の天猫国際では美容関連商品は、前年比の販売金額伸び率が約52倍に上昇しました。