中国でもお酒離れ?Z世代が低アルコール飲料を好むわけ

お酒を飲む文化は中国では古くからあり、お酒やビールは中国のアルコール市場の中心となっています。
しかし近年、Z世代の若者たちは低アルコール飲料に注目しています。今回はその理由を解説します。

目次

・中国の若者たちのアルコール事情

・Z世代の心をつかむために

・適量をたしなむ中国の若者たち

・まとめ

中国の若者たちのアルコール事情

日本では若者のアルコール離れが言われ始めて久しくなりますが、中国でも、お酒に関心を持たない若者が多いようです。その理由は、お酒に酔うことで本音をさらけ出してしまい、結果として人間関係が悪くなるリスクがあるからです。

ではなぜ、カクテルやサワー系のアルコール飲料に注目が集まるのでしょうか?
ポイントは、低アルコールという点です。低アルコールのお酒であれば、急に酔いが回ることはありません。

また、お酒の席には参加しているという協調性もアピールすることが出来ます。そうすることで、人間関係を良好なものとし、シンプルな社会空間が築けることがいいようです。 

Z世代の心をつかむために

酒類業界にとって、若者の消費者をいかにして取り込むかは重要な課題となっています。調査データによると中国では90年代以降の世代の21%は全くアルコールを全く飲まず、64%がビールを飲み、度数の高いお酒を飲むのはわずか5%にとどまります。

ちなみに、厚生労働省の調査によると、日本の20代男性の全くお酒を飲まない割合は22%となっており、中国とほぼ同数であることがわかります。

そんな中、若者を取り込むことに成功した企業があります。「江小白」というメーカーは若者向けにシンプルなデザインとキャッチコピーに力を入れ若者を取り込むことに成功しました。こちらは、若者に不人気と言われている白酒 (度数の高いお酒) ですが、マーケティング戦略が見事にはまって人気を得ています。 

江小白

写真は江小白HPより

他にも、52度のお酒の入ったアイスクリームやミルクティーのカクテルなど若者を取り込むために多くの企業が、工夫を凝らしています。

適量をたしなむ中国の若者たち

中国の若者にとってお酒を飲むことは、酔っぱらうためではありません。先ほど取り上げた「江小白」の例からもわかるようにファッションやトレンドの一部として取り入れている側面が強いのです。

そのため、デザインやキャッチコピーにこだわり、話題のお酒を飲むことで流行に後れを取っていないことを表現しています。

酔うことが目的ではないため、低アルコールで飲みやすいものが好まれます。果実酒、カクテル、サワー系、米酒など0.5%~12%程度のものに人気があります。

まとめると、中国の若者が低アルコール飲料に求めていることは、おいしくて飲みやすい事、種類が豊富であること、デザインが洗練されていることであると言えます。

別の観点として健康に関心を持つ若者が多いということです。度数の高いお酒よりも度数が低く過度に良い過ぎないお酒は健康に気を遣う若者にとって良い選択肢の一つになります。特に果実酒は飲みやすさに加えて、各種ビタミンなど栄養素が豊富なため人気があるようです。 

まとめ

徐々に消費者の幅を広げているZ世代ですが、彼らはお酒に酔うことよりも野外での一杯やバーで軽く飲むことを好みます。その一方で、低アルコール飲料という新たな市場の可能性を広げ、この市場の今後の発展に期待が広がります。




※この記事は許可を得て翻訳編集加筆のうえ転載しております。転載元は观潮新消费(ID:TideSight)です。 

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