中国に健康ブーム到来!カギはZ世代?
今後が期待される巨大市場

中国では、Z世代の間で健康に対する意識が高まり始め、健康増進ブームが起き始めています。
なぜ健康に注目するようになったのでしょうか?今後の市場の可能性について解説します。

目次

・中国のZ世代の健康ブーム

・なぜ中国では健康に関心を持つ若者が増えているか?その3つの理由

・中国の健康関連市場の今後は?

・まとめ

中国のZ世代の健康ブーム

現在、中国では90年代以降生まれの若者たちが、様々な健康グッズを購入しその数は増加しています。

「阿里健康統計」によると、家庭用医療機器、漢方強壮食品療法、ダイエット・整形医療美容製品の購入者のうち、90年代以降の若者たちが半数以上を占めているようです。

2021年の「ダブル11」期間中、Tmallではサプリメントや栄養補助食品の売上が前年比300%増となり、購入者の多くは若い消費者でした。

また、漢方薬を購入する若者も増えています。 2021年の「ダブル11」の期間、漢方薬を発注する人は前年比約4倍に増え、80代以降と90代以降生まれの人が、全体の6割近くを占めたといいます。

「融360」の公表した「ジェネレーションZ健康消費調査報告書」によると、「健康に最も関心がある」と答えた人は91.60%、「健康に大いに関心がある」と答えた人は31.61%、「健康についてある程度意識がある」と答えた人は67.43%という結果でした。

健康商品の消費状況や、主な消費者の年齢層や特徴を見ると、若者の健康増進ブームは、今後ますます強くなっていくと思われます。 

なぜ中国では健康に関心を持つ若者が増えている?三つの理由

その答えは、若者が直面している社会環境、若者の健康に対する意識の変化、消費者心理の変化から見て取ることが出来ます。


一つ目の理由は、若者は大きなプレッシャーやストレスにさらされ、健康を害している状態だからです。今の若者は、中国経済が急速に成長する時代に育ち、衣食住に恵まれていますが、今の世代特有のプレッシャーにさらされています。

目まぐるしい生活環境の中で、若者は様々な面でプレッシャーを感じています。中国のSNSでは、996(午前9時から午後9時労働が週6日)、社会人としての働き方、残業、夜更かしなどのトピックが頻繁に取り上げられています。これらのことからも大きなプレッシャーを抱えていることがわかります。

90年代以降の調査では、6割近くの若者が自分を健康とは言えない状態だと考えており、自分の診断書を見るのが怖いと思っている人もいます。


二つ目の理由として、コロナウイルスの影響を受けて健康に関する認識が大きく変化し関心が高まったことです。

丁香博士が発表した「2021年国民健康見聞録」によると、7割以上の人がコロナウイルスの流行によって人生観が変わり、健康が人生の最重要課題だと考えるようになったようです。

丁香博士が発表したレポートでは、加齢を感じる平均年齢は36.4歳、女性は男性よりも早く加齢を感じ、心の中の加齢の平均年齢は35.4歳であることも示されています。このことから、若い人たちの間では、確かに老いへの不安が大きいことが見て取れます。

近年、残業、夜更かし、不眠症、ハゲ、薄毛、植毛などの健康に関係するワードや話題が検索エンジンで頻繁に取り上げられるようになっています。


三つ目の理由は、若者の健康消費に対する意識が高まり、健康や福祉にお金を払うようになったことです。

統計によると、中国のZ世代グループのアクティブユーザー数は2億7,500万人に達します。その数字は中国の総人口の約19%を占めており、消費者層が加速度的に拡大していることがわかります。

「CCTV Finance」が2021年5月に発表した「中国美好生活大调查」のデータによると、18~25歳の若者の支出リストのトップ3に旅行、健康、教育・訓練がランクインしています。

また前述した「融360」のレポートでも、Z世代の半数以上が健康関連に月500元(約9,000円)以上を費やしていることも示されています。日本の同じ世代の若者たちが、健康関連に費やす金額が5,000円前後であることを考えると、健康に対して大きな関心を持っていることが感じ取ることが出来ます。 

中国の健康関連市場の今後は?

今後、健康や福祉にお金をかける若者が増えれば、数千億元市場を支えるとも言える健康・福祉産業とその関連産業の発展が加速されるでしょう。

「NBS Newsline」は、若者の健康志向の高まりにより、以下の産業が大きな配当を得ることになると予想しています。


ヘルスケア産業
プロテインパウダー、ビタミン剤、メラトニン、プロバイオティクスから、燕の巣、ガム、高麗人参、アメリカ人参、黒胡麻丸などの強壮剤、劉衛地黄丸などの漢方薬まで、これらの健康食品(あるいは医薬品)の消費者の多くは若者たちです。
ある業界レポートによると、若者(主にジェネレーションZ)向けのヘルスケア市場は、2025年までに3200億元(約5兆7千億円)に達すると予想されています。

美容業界
若い人たち、特に若い女性にとって、美容と健康は欠かせないものです。
コラーゲン、糖化防止ドリンクなど一般的な口腔美容製品に加え、ヒアルロン酸飲料水、ヒアルロン酸ヨーグルト、ヒアルロン酸コラーゲンドリンクなど、ヒアルロン酸製品が若い人たちに大人気です。 業界関係者の中には、中国の経口美容の市場規模は2022年に238億元(約4300億円)に達すると予測する人もいます。

健康食品・飲料産業
若い人たちは健康維持のためにどんどん健康的に食べたり飲んだりしています。例えば、新鮮な野菜、季節の果物、良質の魚介類、全粒粉やシリアル、軽食、食事代替、健康食、治療食など、健康に関心を向ける若者の心に響くものばかりです。

若者が健康の主な消費者になることは将来のトレンドになりつつあり、健康やウェルネス産業と多くの関連産業に発展の機会をもたらすことでしょう。 

まとめ

中国では、Z世代で健康ブームが起きつつあります。その原因は、今の若者世代特有の労働環境であったり、コロナウイルスの感染爆発のために健康に対する認識が変わったり様々な要因で健康ブームが始まりました。

まだまだ、成長が見込める市場であることから日本の健康食品や栄養補助食品なども受け入れる余地があるかもしれません。今後の発展に期待しましょう。





※この記事は許可を得て翻訳編集加筆のうえ転載しております。転載元はNBS新品略(ID:nbscaijing)です。

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